もみじ☆あるき『もみじ☆あるき』本編に戻る

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いや〜!こないでっ

 岩盤むき出しの地下洞窟はありの巣ダンジョンと呼ばれているようでした。

 スリーピーウッドを出るとすぐに角キノコがお出迎えしてくれました。でも、今の私には相手にしている余裕がありません。私の目の前に迫って来るの以外には目もくれずありの巣を奥の方まで潜っていきました。

 いました...なんだかお札を額に貼り付けて元気に飛び跳ねるキノコが...あれが死者の符籍ね。

 死者の符籍という名称で気付くべきだったのかもしれません。相手がアンデッドだということに。不浄の生物がこんなに...もの凄く高レベルなネクロマンシーでもどこかにいるんでしょうか?

 とりあえず、マジッククローでその肉体を破壊することは出来るみたいです。やはりアンデッドだけあってタフ、一撃では沈んでくれません。体当たりも強力です。おまけに纏めて召還されているのか大勢集まっていらっしゃいます。マジックガードで妖精さんに「痛くないからね。まだ大丈夫だからね」と励まされつつなんとか符を集めることが出来ました。

こんなのたこじゃないよね

 かなり危険な目に遭い、ふらふらになった私は街に戻ってサウナで疲れを癒しました。

「さて、次はオクトパスの足ね。それにしてもタコなんてどこにいるんだろう?リスの港で水揚げされてるのしかみたこと無いしなぁ」なんてぶつぶつ独りごちていたら、

「なんだ、あんた。蛸足なら持ってくる冒険者がよくいるよ。ジャングルに出るらしいよ」 とサウナのおじさんが教えてくれました。

 おじさんにお礼を言った私はジャングルに戻ることに。でも、スリーピーウッドに着くまでには見かけなかったしなぁ。もっと下層なのかな?

 下層に降りたって私が見たものは...まさに異形でした。あれは決して蛸なんかじゃないと思うの。確かに足だけ見れば蛸に見えなくはないけど...不気味。

 幸い、マジッククロー一撃で倒すことができたので蛸の足集めを開始。一緒に現れる小さくてすばしっこい蛇がとても邪魔です。噛みつかれるととっても痛いし。

 符よりは楽に集められました。さぁ、これであとは木の葉だけね。ペリオン周辺で集められそうだから一度エリニアに戻るとしましょうか。

ソフィアさん、これでいいでしょ?

 

マヤちゃん、お待たせしました

 帰還の書でエリニアに帰り着いた私は、一路ペリオンへ、もちろん道々黒切り株から葉っぱを集めながらね。

 ペリオンに着いたらまずはマンジさんね。

「はいっ。マンジさん☆死者の符籍、集めてきましたよ。これで私の実力はわかってもらえたでしょう?だからお願いです。アルコンの血を譲ってください」

「わかった。約束は守る。持っていけ」マンジさん、ありがとうございます♪

 さぁ、次はソフィアさんね。

「ソフィアさん。必要なもの集めてきたわ。これで早くきらめく石を精製してくださらない?」

「これもマヤちゃんのためだものね...はい、これがきらめく石よ」きらきら輝く石はとってもきれい。最後はテオさんね。

 普段はのんびり歩いて移動する私ですが、今日ばかりはタクシーを飛ばしてリスに駆けつけました。

「お待たせしました、テオさん。お約束のきらめく石です。さぁ、早くマヤちゃんのお薬を私に下さいな」

「マヤはまた容態が悪くなったみたいだな。早く持ってってやンな」...それならもっと早く渡してくださいよぉ。

 ヘネシスへ着いた私は真っ先にマヤちゃんのお家へ。

「マヤちゃん、大丈夫?お薬持ってきたよ。時間かかっちゃってゴメンね☆」

「他の冒険者さんたちも立ち寄ってくれたからあまり酷くはならずにすみました。これでまた少し元気になれそう。お礼にこれをあげるから使ってね」と言って、マヤちゃんは私に三度笠を手渡してくれました。

 ぁ、ありがとう。マヤちゃん...大事に使わせてもらうわね。でも、私の趣味とはいえないのよねぇ、これ。なんて口が裂けてもいえないから気持ちだけ大事にもらっておくわね、マヤちゃん。

  長くなった私の人助けも一段落。また、気合いを入れ直して緑キノコの調査に行くわよぉ♪

Sraimuさん、どうもありがとうございました

 なんだかずいぶん久しぶりな気がするエリニアです。ジェーンさんとマヤちゃんの件で緑のキノコ調査は一時中断してました。

 さてと、鍋ふた出るまで頑張るわよぉ☆エリニア北の木のダンジョンの6番目で個体調査開始です。と、そこへ

「やっと見つけた♪」と、いきなり声をかけてくれたのは「Sraimu十五」さん。連絡帳でお知り合いになった先輩の魔術師さんです。

 私のことを気にかけていてくれたSraimuさん。

「ありの巣ダンジョンにはもう行かれました?」

「 あぁ、ごめんなさい。マヤちゃんの一件で独りで行って死にそうな目に遭いました〜」道案内&ボディガード、して欲しかったです。

「装備はこれからどうするの?」とも心配してくれました。何せ未だにとんがり帽子ですから。でもご心配なく♪私には角キノコからもらった茶色のピエロ帽があります、色はちょっと微妙ですけど。早く装備できるようになりたいなぁ♪

 今後のことでいろいろ相談に乗ってもらいました。この間地下洞窟で見かけたあの不浄のキノコ、あの存在が気になってしょうがありません。次の転職ではあの道に進もうかしら...

 お別れ際、Sraimuさんが私に携帯食料のおにぎりと「月の石」を手渡してくれました。Sraimuさん、どうもありがとうございます☆この石とってもきれい♪でもどうやって使うんだろう?

先輩、おしえてくださいっ

 Sraimuさんとお逢いした後、木のダンジョンからエリニアに戻った私は気分転換に知恵の森をお散歩しながらキノコ調査。そうしたら今度はポニーテールに大きな赤いリボンがとってもキュートな方から声をかけられました。

「こんにちは♪はじめまして。リノアです☆」

「リノアさん。はじめまして♪れむです」 て、えぇっ!連絡帳にお名前残していただいてましたけど、こんなに高レベルな方だったとは...

 Sraimuさんに引き続き、またまたいろいろと相談に乗ってもらいました。主に転職を含めて不安がいっぱいあったのですが、今後、私が歩みたい道が見えてきたような気がします。大先輩のリノアさんとお話をして、決断しました。

 やっぱり、私は聖職者になります☆あの不浄のキノコたちを見たときに私はすでに決めていたのかもしれません。さだめを終えてまで隷属させられ、酷使させられるあの姿を見てかわいそうだと思ってしまったのだから...

 なんだかそうと決めたらとってもすっきりしたみたい。このまま、適性試験までまっしぐらに突き進みたいと思います♪そうと決めたら、また鍋ふたキノコ調査に熱が入りそうです。

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