最新 

 

「エオス塔...ですか」
「あぁ、ウチの作業員がちゃんと作業しているか確認したいんだよ。このカメラで撮影してきてくれないかな」
 結局、断る理由も見つからなかったので引き受けることにしました。

 工場長からハカセさんの居場所を教えてもらい、ドクターからの伝言を伝えました。
「ドクター?あぁ、ナカムラさんね。はい、じゃあこれを。彼から頼まれた部品です。持ちきれるかな?」
「あら、大丈夫ですよ。こんな身体でも冒険者生活してますから。かなり大きいのですね」
「精密部品だから緩衝材もかなり入ってるんですよ。嵩張って持ちにくいかも知れないけれど、取り扱いにだけは細心の注意を払ってくださいね」
「了解しました。それでは行ってきます」

 大きな荷物を持ったまま移動するのは大変な労働になるので、以前いただいた防衛本部へ移動できるディスクを使ってみました。あっという間に到着です♪
「ドクター、お待たせいたしました。ご注文のお荷物です」
↑topへ戻る
 

 お荷物を届けたというお仕事の報酬にいただいたディスクを使ってルディブリアムへと戻ってきました。お次は工場長から依頼された撮影のお仕事です。作業員さん達を探してエオス塔を降りていくことにしましょう♪

 塔の入口を潜った途端、ものすごい音が聞こえてきました。警備担当のライトさんのお腹が発信源みたい♪退屈だとか、腹減っただとか一緒に警備にあたっているレフトさんにこぼしているのが聞こえてきます。
 お二人にと思ってクルミを差し入れしたら、ライトさんが嬉しそうに受け取ってくれました♪
「お嬢さん。コイツに差し入れしてやる時間があるのでしたら、私のお願いも聞いてもらえませんか?」
「あら、レフトさんはクルミお嫌いでした?」
↑topへ戻る
 

「食い意地の張ったライトが残してくれたたならありがたくいただきますよ。それで実は、このルディブリアムの時計錘が数日前に賊に奪われてしまったのです。幸い、発見が早く、同僚のマークがこの扉の奥へと追いつめたのですが...化身の術の使い手らしく、困っているのです」
「えと、つまり私にその時計錘なるものを見つけて欲しいということですね。で、その時計錘ってなんです?」
「あぁ、錘とは重りのことです。ゼンマイが開発される以前の時計の動力源で、初期の機械時計に用いられる部品のことです。では、中でマークを手伝ってくれますね?」

「レフトから報告は受けています。どうやら私の目を盗んで移動を繰り返しているようなのです。逃げ出さないように出口を固めるのがやっとで、手が出せません」
 塔の小部屋に入ると、そこには同じようなドールハウスが並んでいました。この中から賊を見つけだせばいいのですね。手早く上から下まであるドールハウスを観察していきます。
 う〜ん、どれも同じに見えますね...重りが入っているというくらいですから持ってみたらわかるかも知れませんね。どんなとラップが仕掛けられているかも知らないのであまり触れたくはないのですが...あら?この把手...やはりそうです、見比べてみるとこれだけ丸みを帯びています。
 いざ発見して、賊との戦闘になるのかと思いきや、呆気なく時計錘を奪い返すことができました。長時間に渡る化身の術と息の詰まるような潜伏で消耗していたのでしょうか...賊の後処理はマークさんにお願いをして、塔の小部屋を出てきました。
↑topへ戻る
 

「レフトさん、時計錘とはこれでよろしいのかしら?」
「ええ、ええ、これです、これ。あとはこれを設置するだけです。しかし...私はまだここを警備する任務がありますので離れるわけに参りません」
「わかりました。乗りかかった舟ですから最後までお付き合いいたしますよ。どこへお届けすればよいのです?」
「重ね重ねありがとうございます。それでは、時計塔のおもちゃ工場の奥にいる技術者、掛け時計にお願いします」

 時計のお化け、クロノス達が彷徨う工場の奥地へやって来ました。それにしても掛け時計を捜せだなんて...あ、これですね。以前はこんな場所に時計なんて置いてあったかしら?
「た...助けて....もらえないでしょうか」
「きゃっ...と、失礼しました。あなたが掛け時計さん?」
 いきなり時計から声を掛けられたのでびっくりしてしまいました。
「実は..作業に没頭し..ていて、自分のゼ...ンマイが切れそ.うなのです。チクタ.....」
「チクタク?チクタクが持っているのですね。ちょっと待っててくださいね、すぐに見つけてきますから」

 数匹のチクタクを探るとすぐに部品が出てきました。慌てて戻って掛け時計さんのゼンマイを巻き上げます。
「.......ぁ、ゎたしは...ありがとうございます。あなたが私のゼンマイを撒いてくれたのですね?」
「ええ、あなたにお願いしたいことがあったのです。この時計錘、ルディブリアムの時計塔のものなのでしょう?レフトさんから託されてきたので、設置をお願いします」
「やっと見つかったのですね。わかりました、最優先で作業にあたります。ご心配無用、すぐに動き出しますよ。あなたはレフトにその旨、報告しておいて下さい。」
↑topへ戻る
 

「おぉ、れむ様。無事に掛け時計に時計錘を届けてもらえたようですね。あらためてお礼申し上げます」
「あら、そのことをこれからご報告しようとしたのですが」
「時計塔が再び動き出しましたからね。すぐにわかりましたよ。もう二度とあの時計塔を止めるような事態にならないように警備体制を強化していきますよ。ご協力、ありがとうございました」
 報告を済ませた私は、ようやく工場長から依頼された撮影のお仕事に戻ることができました。

 98階で作業されている方だけはライトさん達への差し入れを集めているときに撮影を済ませていたので、残る9名の方を探して塔を降りて行きます。
 みなさん、私がカメラを向けると作業の手を休めて格好良く写してくれなどと注文をつけてきます。私としては一所懸命お仕事に励んでいる、そんな一コマが欲しかったのですが...とりあえず、10名全員分の撮影を無事に終えることができました☆
 あとは、このお写真を工場長にお見せすれば良いだけですね。みなさん、お仕事ご苦労様です。お邪魔してしまいましたが、これからも頑張っていきましょう♪
↑topへ戻る

→104

NEXON社の著作物利用のガイドラインに基づき、当サイト内の版権画像の再転載を禁じます。