「何よ、この期に及んでまだ顔出すの?」
「はい、私の誠意を示そうと思いまして...これを」
「あら、これは妖精の粉じゃないのさ。これであたしの大事な水晶を直せるわ。ご苦労だったわね、それじゃあたしも今までのこと水に流してあげるわ」
「では、ヘラーさんについて教えていただけますか?」
「そうね、あれは3ヶ月も前だったかしら?殺された母の敵を討ちたいから助手にしてくれってやってきたのは。直接本人に聞いてみれば?」
「ふぅ、これ以上は隠し通せそうにありませんね」
「では、あなたがヘラーさんでしたのね?ちょうど良かった、古代の本について何か知りませんか?」
「あなたはどうして古代の本のことを知っているの?」
「はい。私は、アルケスタさんからその本を探すように依頼されているのです。その最初の手がかりはどうやらあなただったということになりますね」
「あら、アルケスタ様までご存知でしたか。スピルナ様に弟子入りし、修練は積んでいますが私にはその本の力を受け入れるのは無理のようなのです。本もまだ見つかっていませんし...わかりました、あなたならその本を見つけてくれそうですね」
「ええ。努力します」
「数年前に、家で見かけた古い日記には古代の本は雪原の深い谷で失われたという記述を発見しました。ゼイドなら力になってくれるかも知れません。彼はこの大陸のことをよく研究していますから。このペンダントを彼に渡して私が無事だということを伝えてください。そうすれば彼も安心してあなたに協力してくれるはずです」
「すべてを話してくれてどうもありがとう。ヘラーさんのためにも必ず古代の本を見つけてきますね。スピルナ様、ご協力感謝いたします」
「そうだ、これ持っていきな。水晶の礼だよ」
スピルナ様が立ち去ろうとした私に無造作に書を放ってきました。気難しい方でしたが、悪い人ではなかったんですね☆
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