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 暗い...とても暗いです。そして身体がとても重く感じられます。指一本動かすのも面倒なくらい怠いです。全ての感覚がぼやけ、境界が曖昧になっているみたい...
 誰かが呼んでいるような気がします。でもそれももの凄く遠くから聞こえるみたい。暗い...目を開いているのか閉じているのかもわからないくらいに...


 ふと気がつくと、見慣れた景観...あら?ここってスリーピーウッド?傍には「マクリ差し」さんがいます。
「れむさん、大丈夫ですか?とりあえずサウナ行って休みましょう」
  お...重い、身体が...心身共に疲労困憊のようです。疲れた身体を引きずって、私とマクリさんはサウナへ到着しました。

「そういえば、れむさん。ここの極楽さんが困ってるのって知ってます?」
「いいえ、そうなんですか?いつもはそんな素振り見せないけれど、あの人」
「ああ、そっちの方じゃないです。もう一つのサウナの方」
「えっ?あぁ、高級って書いてある方ですね?あちらはまだ利用したことないんですよ」
「じゃ、行ってみましょう」

「おねぇちゃん、この高級サウナは初めてだね?どうだ、俺の話、聴いちゃくんねぇか?」
「おねぇちゃん...あ、私のことですね?ええ。良いですよ、どうしました?」
「実はな...」


 こうして、極楽のおじさんのお話を聴くことになった私。でも、あれはいったい何だったのでしょうか?夢?ううん。だって、私の手元には白いトカゲの尻尾みたいなのが残っているもの。奇蹟...かしら?
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「実は、俺には息子がいるんだけどさ、これがまた可愛いんだ。それこそ目に入れても痛くないくらいに。だけどさ、その息子がさ、俺がもの凄く大事にしてる本を持ってさ、どっか行っちゃったんだよ、これが」
「じゃ、その大事な息子さんを捜してくればいいのですね?」

「う〜ん、というよりはな、その本を探してきて欲しいんだよ。ワケあって詳細を言うことはできないんだが、俺にとってはと〜っても大事な本なんだよ」
「え?本を見つけてくればいいのですね?」

「そうだ。その本はたぶんあの子が持ってる。そうそう、息子の名前はロニってんだ。エリニアの森があの子のお気に入りだから、またあの辺に行ってるんじゃないかな?」
「わかりましたわ。ロニちゃんから本を返してもらってくればいいのですね」
「そういうことだ。うまくいったらおねぇちゃん、あんたにも礼はするからな。じゃ、頼んだよ」
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 極楽のおじさんのお子さん、ロニちゃんとお話しするため、私はエリニアに戻ってきました。そこで「SHILPY」さんとばったり☆
「れむさん、また成長されたみたいですねぇ。そろそろこれ使えますね♪」
「え、これって赤い鞭じゃないですか?どうしたんですかこれ?」
「別にれむさんのために買ってきたってわけじゃないですよ。私にはヘイストがあるからとくに必要ないんですよ」
「じゃぁ、これはSHILPYさんのなんですね♪」
「ええ。愛情が篭もってますよぉ」
「ありがとうございます☆大切にしますね♪」

「最近、自分、レベルが上がらんのですよ。そういうことなんでれむさん、狩りに行きませんか?」
「う〜ん、SHILPYさん、実はこれから極楽のおじさんに頼まれて捜し物に行かなくちゃいけないんですよ」
「では、お付き合いしましょう」
「ありがとうございます。たぶんあとからマクリさんも合流してくれると思いますので、よろしくお願いしますね♪」
「それでは木の通路に行きますか☆」

 赤い鞭を装備して歩く私、いつもよりも足取りが軽快です☆これは癖になりそうですね♪難なく木の通路に到着しました。あぁ、この子がロニちゃんですか。
 ロニちゃんを見るなり、殺気立つSHILPYさん。いったいどうしたんですかっ?危ないですよ、そんなもの振り回しちゃ!

「おばさん誰?パパの友だち?ふぅん...やっぱりパパは僕なんかよりもこの本の方が大事なんだ...こんな本、絶対に返してあげないもん!」
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 この子、今なんていったのかしら?言うに事欠いて私のことをおばさんですって?
「ちょっと、ボク?お姉さんはね...」
 ぐぅぅぅ〜...
「お、おなかなんて空いてないもん!」
「空いてるんでしょ...我慢しちゃダメよ?」
「うん、バナナと牛乳と特製ウナギ焼きが食べたいなぁ」
 そ、そんなに食べるの?この子。育ち盛りには見えないけど...
「じゃぁ、それ持ってきてあげたら、ご本、お姉さんに返してくれるかな?」
「う〜ん、いいよ。ウナギ焼きはヘネシスにいるリナ姉さんの特製のヤツね。僕、それ以外のウナギじゃ食べたくないよ。あ、それからウナギ焼きたてでお願いね♪」
 なんて注文の多い子なんでしょう。今のうちからこんなじゃ、将来が思いヤられます。

「あ、れむさん。自分、ちょっと用があるから外しますね。またあとで合流しましょう」
「わかりました、SHILPYさん。よろしくお願いしますね♪」
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「そうだ、牛乳はエリニアの新鮮なヤツにしてよね。僕、おなか弱いからあれじゃないと飲めないんだよね」

 わがままなロニちゃんのところを出て、「SHILPY」さんと一旦お別れした私は「マクリ差し」さんと再会しました。二人でエリニアの妖精、ロウェンさんのところを訪れました。
「妖精の私に、ニンゲンの貴方がいったい何の用なの?」
「妖精族が人間をよく思っていないのは知っています。だけど、ロニちゃんがあなた達から牛乳をよく分けてもらっていたようなので...」
「ふーん、それってロニのお願いなワケ?あの子にだったらわけてあげても良いんだけど、ただってワケにはなぁ」
「何か今必要なものがありますか?」
「べっつにぃ。でもくれるんなら光り物が良いわ♪きれいなダイヤモンドだったら、牛乳譲ってあげても良いけどどうする?」

「マクリさ〜ん、この妖精さんがダイヤと牛乳交換だって」
「れむさんは、ダイヤ原石はいくつ持ってるんですか?」
「えと、2個です」
「ではそれお預かりしますね。露店回って数揃えたら精製してお持ちしますよ。その間れむさんはヘネシスですね」
「ありがとうございます♪ではダイヤの件、よろしくお願いしますね。私はヘネシスのリナさんのところへウナギ焼き作ってもらいに行ってきますね」
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