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 その後も泣きそうになりながらエビルアイとの格闘を続け、何とかしっぽを集め終えた私はスリーピーウッドへ帰ることに。
 スリーピーウッドからありの巣の深層に至る道には蒸気が吹き出る一帯を通り抜けなければなりません。来るときには下り道だったので勢いに任せて一気に降りてきてしまったのですが、帰りはしっかりと登っていかなければなりません。
  ここにはスティジと呼ばれるコウモリがたくさん飛び回っています。ルークさんとの約束もあるため、足場の良さそうなところで羽を集めました。集団でもの凄いスピードで向かってくるところにマジッククローをあわせます。簡単に羽を集めることができました。集め終わってもコウモリたちはこちらに向かって飛んできます。私はそれをできるだけ避けつつ必死に蒸気地帯を抜けました。

 なんとかスリーピーウッドにたどり着いた私は疲れた身体を癒すためにサウナへ向かいました。ここのサウナはホテルの施設の一部なんですね。受付のお姉さんに丁寧に迎えられて大満足☆

 さて、スタンさんのところに戻る前に、ルークさんのおつかいを済ませてしまいましょう。あと必要なのはジュニアネッキ、蛇の皮ですね。以前、蛸の足を集めるときに遭遇しましたが、すばしっこくてなかなか当たらなかったんです。今回はじめじめした森の池というところで挑戦。
 やっぱりダメです、半分くらいしか当たりません。おまけに蛇よりも異形の蛸の方がたくさん出てきます。それでも文句は言えません。私がやると決めたのですから。
 そんな苦戦している私のところへ、「マクリ差し」さんが駆けつけてくれました。
「れむさん。こんなところで何してるんですか?」
「マクリさん。蛇の皮集めてるんですよぉ。もう大変です」
「でしたら、場所変えた方が良いですよ。案内ついでに手伝いますよ」
「本当ですか?ありがとうございます♪」

 マクリさんに連れてきていただいたのはさまよい沼という場所。
「上にはワニがいますけど、それは私が狩りますから下で蛇狩ると良いですよ」
「ありがとうございます♪でも、あんまり当たらないんですよ、私のクロー」
「それならこれ使ってみてください、名手の薬っていうんですけど命中率上がりますよ」
「いいんですか?ありがとうございます」
 確かに、先程よりも避けられることが少なくなりました。おかげさまで蛇の皮を集めきることができました。
 マクリさんの支援を受けてばかりの私。 いつか私が助けになれるよう、頑張りたいと思います☆
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 マクリ差しさんのお手伝いもあって、無事にルークさんのおつかいに必要なものは揃いました。さまよい沼からだとそのままカニングシティーに出られるそうですが、私はスリーピーウッドへ逆戻り、ルークさんがいるはヘネシス側の入口ですもの。

「はい、ルークさん。お待たせしました。ルークさん?」
「・・・・・・っ、おお。あんたか。確かに、これだけあれば超いける蛇酒が造れるよ。珍しいもんだから他のヤツにはあげないんだけど、あんたには完成したら特別にわけてやるな?」
「い、いえ。結構ですよ。私、そんなに飲める口じゃないですし」
「そうか?じゃぁ、これを受け取ってくれよ。俺からのお礼の気持ちだ」

 そう言ってルークさんが私に手渡してくれたのは、きらきら煌めく青い宝石、アクアマリンでした。
「 ありがとうございます、ルークさん。では、私はこれで失礼しますね」

 あと必要なものはリボンですわね。ヘネシス周辺の豚さんたちがいっぱいいるところで調達しましょうか。スリーピーウッドにいた異形の生物に比べたら楽です。あっという間にリボンを集めることができました。
 これでやっと、スタンさんとの交渉がはじめられそうです。アレックスさん、もう少し待っててくださいね。
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「スタンさん。依頼された品物、用意できましたよ。これで私の話を聞いてもらえますね?実は私、アレックスさんに頼まれてここまで来ました」
「何!?アレックスだと?儂はあんなヤツは知らん。余計な面倒を起こす前に早く出ていってくれ!」

「それではお話が違います。お願いですから、意地を張るのは止めてくださいませんか?アレックスさんは戻りたがっているのですよ?」
「ほう?冒険者風情がこの儂に意見しようというのか。面白い。それで、ヤツはどんな生活をしているんだ?」
「お知りになりたいのでしたら彼に直接聞いてみればいいのではないですか?」
「直接聞いてみろだと?ハッ、お前さんは変わってるな。ヤツに頼まれて交渉しに来たのではないのか。お前さんの目にはこの儂がどのように映っているんじゃ?」
「貴方は非常に聡明で立派なこの街の長老様だと、私は認識しておりますが」

「そう。儂はこの街の長老...しかし、ヤツが家を出てからというもの、儂には長老としての威厳が無くなってしまったのじゃ」
「彼は...お母さんが亡くなってからというもの、躾の厳しい貴方にどう接したらいいのか迷っていたのです。彼ももう自分でものは考えられる歳ではありませんか?まずは貴方が彼を認めてあげることから始まると思うのですが」
「そうか。そんなことまで知っておるのか...確かにアレは妻が亡くなってからというものこの儂に反抗的になった。儂は、仕事の忙しさの所為にしてアレとはあまり接してこなかったのだ。それにしても、アレがもうそんなに成長しておるとは...」

「お前さん、名前は?」
「私は れむ といいます」
「れむさんか。いや、ありがとう。あんたのおかげで儂も目が醒めたよ。世話を掛けたついでといってはなんだが、これをアレのところへ持っていってくれぬか?」
 そういってスタンさんが私に手渡したのは、アレックスさんに頼まれた金の時計でした。
「これは亡き妻の形見の品だ。アレにこれを渡して儂の想いが少しでも伝わればいいんじゃが」
「きっと大丈夫ですよ、スタンさん。ではコレ、アレックスさんに責任を持ってお届けいたしますね」
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 スタンさんからお預かりした金の時計を手に、私はカニングシティーのアレックスさんの下に急ぎました。
「アレックスさん。お待たせいたしました。お父様から金の時計預かってきましたよ」
「おぉっ!この時計は...間違いなく母さんの時計だ。本当にあの頑固親爺を説得してくれただなんて、お前凄ぇヤツなんだな?でもこれで俺もこんな生活から足を洗えるぜ」
「そんな、私なんて大したものじゃありませんよ。それに、お父様だって本当のところ随分心配してましたよ」

「ちくしょう。母さんが生きてるときにもっと親孝行しておくんだったぜ。今頃後悔しても遅いけどな」
「何を言ってるんですか。貴方にはまだお父様がいらっしゃるじゃありませんか。これからはお父様を助けて差し上げてくださいね」
「それもそうだな。ありがとうな、お前には感謝してるぜ。そうだ、このイヤリング受け取ってくれよ。コイツはあっちこっち旅してた頃にダチから貰ったものなんだけど、お前にやるよ。俺からの感謝のしるしだ」
「ありがとうございます。それではありがたく使わせていただきますね」

 アレックスさんからいただいたのは稲妻の形をしたイヤリングでした。それにしてもこれからあの二人、仲良くやっていけるのでしょうか?まだまだ衝突することもあるかと思いますが、少しづつお互いが歩み寄れることを願っております。
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 カニングシティーを見て回り、スタン&アレックス親子の喧嘩を仲裁した私はエリニアに戻ってきました。おみやげを持って薬屋さんへ。
「お姉さん、ただいま。たった今エリニアに戻ってきたところなの」
「あら、れむさん。お帰りなさい。ずいぶんと早かったのね。で、どうだった?面白かった?」
「ええ、いろいろと見てきましたよ。はい、コレおみやげです」
「えっ?私に?ありがとう。赤い薬ばかりだけど嬉しいわ」
 そのあともしばらく薬屋のお姉さんに私の体験をお話ししてきました。彼女、とっても嬉しそうに聞いてくれたわ☆

 楽しくおしゃべりして、また元気になった私は久しぶりにキノコ調査に出かけることにしました。場所は北の森にある木のダンジョンです。
 そこで盗賊の「keukenhof」さんに出会いました。彼女は私の文章に目を通してくれているんですって☆あんまり嬉しかったから、お願いしてグループを組んでもらいました。独りで調査するよりも捗りますし、何より私が楽しいですからね♪

 聖職者になってヒールを覚えた私は、今までと少し違う感覚が育ってきたようです。グループを組んで、離ればなれで行動しているときでもパートナーの状態が気になるんです。今までは自分のことだけで精一杯だった所為でしょうか。以前よりも少し、周囲に気を配れるようになってきた気がします。それでも私の癒しの術はまだまだ未熟。危ないときには自分から声を掛けてもらいたいです。手遅れになってしまったら私も後味悪いですから。

 短い間でしたが、keukenhofさんと一緒に調査をして楽しい一時を過ごした私ですが、引き上げるときに彼女にここに登場してもらってもいいか尋ねてみました。恥ずかしがっていましたが、了承してもらえました♪keukenhofさん、どうもありがとうございました。またどこかでお逢いしましょう☆
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