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 エリニアからペリオンまでの道中では炎を纏った獣には遭いませんでした。アルウェンちゃんに頼まれたガラスの靴はちゃんと見つけることができるのでしょうか?
 それにしても彼女、本当に大事で探して欲しいのだったら人間なんて嫌いなんだけどって言わなければいいのに...真剣にお願いされたなら、私も真剣に探そうって気にもなるのに。それにアルウェンちゃんたら、道行く冒険者たちにそれを言ってるらしいの。だから誰か他の人が見つけてくれるかもって思ったら、私が真剣に探さなくても良いのかなって。


 ペリオンを抜けてしばらく行くと突然周りの雰囲気が変わりました。どこかのダウンタウンみたい。そうか、そろそろカニングシティーが近いのね。街の治安はどうなっているのかしら?
 カニングシティーに到着した私は、夕焼けのあまりのきれいさに感動してしまいました☆エリニアと比べると空気はあまりきれいとはいえませんが、高いところから見る夕焼けは絶景でした。

 高いところをお散歩していると、おっきなペリカンがいます。頭にはタクシーってプレートがついてるわ。ペリカンのくちばしの中には女の子が入ってる見たい。なんでもコレに乗ればジパングって言うところへ行けるらしいのだけど...間違って、ペリカンさんのおなかの中にでも行き着いたら大変なので乗るのは遠慮しておきました。

 夕焼けも堪能したので次は、街の中を歩いてみることにしましょう♪
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 エリニアやヘネシスはのんびりした空気でしたが、カニングシティーはなんだか雑然としていて少し物騒な感じがします。でもどこか刺激的で何か起こりそうです。

 私が町中を散策していると、どこかから視線を感じました。周囲を見回すと、ビルの上に男の人がいてこちらを見ています。私、何かあの人の気に障るようなことしてしまったんでしょうか。

「あの。さっきから私のこと見てましたよね?」
「ああ、よく気付いたな。お前冒険者だろ?ちょっと俺の話聞いてくんねぇか」
 アレックスさんというこの方、斜に構えてちょっと近寄りにくい雰囲気です。それにさっきまで私のことを見ていたくせに私が話しかけた途端、視線を私から外しました。

「いや、じつはな。俺、家出中なんだよ、頑固親爺と喧嘩しちまってさぁ。で、このカニングでぷらぷらしてるんだけど、もうウチからくすねてきたお足が無ぇんだよ。それにな、最近じゃ少し俺も悪かったかなぁなんて気もするんだ」
「そうですか。でもそれなら簡単ではないですか?貴方が素直に謝ればそれで解決しそうですけど」
「いや、それがさ。問題ありなんだよ。親爺はさヘネシスの長老なんだわ。気むずかしくってとにかく曲がったことが大ぇっ嫌ぇなんだよ。だから、このまま俺が何もなかったようにウチに戻ろうものなら...半殺しは間違い無ぇな」
「そんなに厳しいんですか。で、私にはいったいどうして欲しいんですか?」
「だからさ。俺がウチに帰れるようにね、頑固親爺を説得して欲しいんだよ」
「そういうことですか。貴方は本当に悪かったと思ってるんですね?それなら協力しても良いですよ」
「ああ。俺ももうこんな生活はいやなんだよ。親爺の名はスタン。いっつも難しい顔してるからすぐにわかると思うよ。それと親爺を説得できたらその証拠として親爺の持ってる金の時計を預かってきてくんねぇか」
「わかりましたわ。ヘネシスなら行ったことありますし、たぶん貴方のお父様も見かけたことがあると思います。こうして知り合ったのも何かの縁ですから、協力して差し上げますわ」
「悪りぃな。頼んだぜ」

 カニングに来て早々、私はアレックスさんと知り合ってヘネシスへ向かうことに。でも、本当に困っている人を見捨ててはおけないし。これもきっと試練ですわね。
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 アレックスさんのお父様、スタンさんとお話しするために私はヘネシスへやってきました。マッシュルームパークの入り口付近にいるあの老人がそのようですね。
「はじめまして。スタンさんですね?私は...」
「あんた冒険者だね。エビルアイのしっぽとピグのリボンを集めてきてくれないか。話があるならそれから伺おう」

 先手を取られてしまいました。とりつく島もないようです。それにしてもエビルアイのしっぽって何に使うのでしょう?しっぽと言うからには尻尾だということはわかりますが、エビルアイという存在にはまだ遭ったことがありません。まずはそれについての情報を仕入れてこないといけないようですね。

 アレックスさん。貴方のお父様は、かなりの頑固者のようです。果たして私で上手く交渉できるのでしょうか?
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 エリニアの図書館に戻って、エビルアイについて調べてみることにました。エビルアイ、evil eye、邪悪な目、邪眼?もしかして...あった。あ、でも体色が違うわ。この間の試練に出てきたのは緑色だったもの。えーっと、なになに。主な生息地はありの巣ダンジョンの深層、エビルアイの巣?ですって。ついでに、アルウェンさんの言ってた炎を纏った獣についても調べてみましょう。これね、すぐに見つかりました。ファイアボアというらしいです。

 というわけで、私はまたヘネシス経由でスリーピーウッドに向かう入口へとやってきました。今日は見張りの方、ちゃんと起きてるみたいね。
「こんにちは。いつもおつとめご苦労様です」
「お、あんたこれからスリーピー行くの?だったらお願いがあるんだよねぇ」
「なんでしょう、お願いというのは?」
「俺の名はルーク、今度お袋に蛇酒つくってやりたいんだよね。でさ、ちょっとしたおつかいをあんたに頼みたいワケ。ジュニアネッキの皮とスティジの羽集めてきて欲しいんだ。あと、デザートにするからサラダも買ってきて欲しいんだ」
「あら、ルークさんは親孝行なんですね。いいですわ。そのおつかい行ってきてあげましょう」
「そうか、ありがとう。じゃ、頼んだよ。俺はここを離れられないからまたここに届けてくれ」
「わかりました。では、行ってきますね」
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 久しぶりにやってきたスリーピーウッドです。マヤちゃんのお薬の一件依頼かしら。ここはありの巣ダンジョンの深層、その第2階層です。

 ...います。おぞましい生物が。でも、アレックスさんのお父様、スタンさんとお話しするにはどうしてもこのエビルアイの尻尾が必要なんです。
  覚悟を決して飛び込んでみました。予想通りマジッククロー一撃では倒れてくれません。エビルアイは倒した瞬間にもの凄い目つきで私をにらんできます。もしかしたら最後の呪いでも掛けようとしているのでしょうか、その邪眼で。
 たとえ他人のためとはいえ、やはり私にとって殺生は気持ちの良いものではありません。姿形が私たち人間とは違っても生物であることには変わりないのですから。しかし、そんなことを言い出したら私たちは今日食べるものにも困ってしまいます。きっと人間以外の動物は自分の食物に対してそんなことは思いもしません。これは人間だけの業なのでしょうか?これからのお食事はより感謝しないといけませんね。

 禍々しい生物と対峙する私、必死なはずなのになぜかそんなことを頭の片隅では考えていました。きっと、その異形の姿を直視することを私のどこかが拒んでいたのでしょう。

 体力的にも精神的にも疲労困憊してきた私は、深層の先にあるありの巣広場へ休息するべく立ち寄りました。屋台が出ているようです。でもあのトラック、どうやってここまで入ってきたのでしょう?起伏が激しく足場も悪いところが多くてここまで来るのも大変だというのに。
 この中はなかなか蒸します。そういえば、スリーピーウッドからここに来る途中では蒸気が噴き出しているところもありましたっけ。何か冷たいものでも...あ、サラダです。サラダを売っています。ルークさんに頼まれていたのでひとつ買っておきましょう☆
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