最新 

 
本当の地獄はここからだ  気持ちのよい青空、心地よい会話、和やかに進行していた「ねこ隊長」さん主催のイベントは、いつの間にか阿鼻叫喚の地獄絵図となっていました。

 地の底から呼び出された異界の主が闊歩し、冥府から湧き出た鬼は人心を惑わし、天空には凶兆の黒い鳥が飛び廻ります。ここに安寧は失われました。
 などということはなく、主催の心意気に応えるため、みんな勇敢に飛び込んでいきます。大気は穏やかなのに、空からはたくさんの石が降ってきます。降り積もった石を見学するために近づきすぎて、自ら石を降らせる人もいます。降らせる気は無くても、カラスに蹴落とされたところを鬼に縛られ、なす術も無く踏み潰される人も少なくはありません。特に会場入口付近は凄い有様でした。
↑topへ戻る
 
鬼と鬼と屍骸  会場は、今までに私が参加したことのあるどのお祭りよりも派手で、それ故に酸鼻を極めるものでした。参加者のマナーは最高です。誰一人として目の前に広がる混沌を収めようとするものは居ませんでした。

 大量に召還された混沌の中には、実体を持つ鬼と持たない鬼が居ました。実体を持つほうは、巨大な体躯に腰蓑姿。体格は違い、言葉が通じず、風習文化も異なる、私達が理解することの出来ないヒト。
 実体を持たないほうは、生命活動を停止して肉体から離れた魂魄。本来ならば私達に視得てしまってはいけない筈の、かつてはヒトであった異界のモノ。
 生きながらにして人間を超越してしまった存在も鬼と呼ばれるそうです。ここにもそんな鬼はいたのでしょうか?
↑topへ戻る
 
逃げて逃げて〜  かえでの相場がまったくわからないのですが、今回のお祭りはかなりのお金が掛かってしまったのではないでしょうか。あまり詮索するのは主催の「ねこ隊長」さんに対して失礼になるので、その場では純粋に楽しませてもらいました。

 主催は大変です。今回は事前準備としての素材集めもそうだったでしょうが、お祭りが始まったら始まったで、会場全体の管理をしないといけません。
 みんなが心ゆくまで石を降らせている最中、彼女はカメラマンとして走り回っていました。広い会場の中で、あちらこちらで起こるいろいろなシーンを撮影しているようです。カメラマンは安易に石を降らせるわけにも行かない様で、背後に迫る死の予感から必死に逃げていました。
↑topへ戻る
 
珍しいものも出てました  主催者だけでなく、参加者達も持ち込みで包みを開き始めました。主催が用意した心地よい空間を、みんながさらに盛り上げようとする心意気が素敵です。

 珍しいものも出ていました。ひとつは電動遊戯台に擬態したモンスタ。こちらから触れると攻撃してきますが、基本的には動かずにおとなしくしているようです。「ねこ隊長」さんがドゥームの秘蹟を試したところ、デンデンに姿を変えて、その後、足場から飛び降りていきました...
 もうひとつは大きな実。特大のラディッシュでしょうか?こちらはいくら体当たりをしても痛くありません。これで石を降らせるのは随分と苦労しました。成功したときには、みんなに喜んでもらえて、暖かい賞賛をたくさんいただきました。頑張った甲斐がありましたね。
↑topへ戻る
 
原点回帰  時の流れは誰にも止めることはできません。「はじまり」も「おわり」も誰かにとっての目印でしかありません。

 人は自らの状態を知覚するときに、何かと比べようとします。「楽しい」という感覚は、「楽しくない」という状態の経験が無い限り得ることができません。時の流れを感じるということも同じことです。過去の状態と今の状態を比べて変化したことしか知覚できません。
 過去は過ぎ去った今です。この瞬間にも積み重ねられ続け、無かったことにすることはできません。人の記憶は曖昧です。堆積した情報は劣化します。でも、それで良いこともあります。「楽しかった」は漠然としていて良いのです。でなければ、いつか、些細なことも楽しいと思えなくなってしまうのですから。お祭りは「終わり」あって日常に戻るから、その瞬間を楽しめるのです。
↑topへ戻る

→247

NEXON社の著作物利用のガイドラインに基づき、当サイト内の版権画像の再転載を禁じます。