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異界に通じる扉ですね...M.S.G.の撮影で各地を回ったときに、エリニアにある扉の場所は確認済みです。
悪意の魔女が飛び回る邪気の森に到着すると、私の記憶通りに空中に真っ暗な穴がぽっかり浮かんでいます。
異形の像が掲げるたいまつの明かりを頼りに通路を奥に進むと開けた場所にでてきました。
足下を覗いてみると、そこには白い人影が佇んでいました。恐る恐る降りて近づいてみると、姿がはっきりしてきました。真っ白なローブに、真っ白なギルティアン帽、そして豊かにたくわえられた真っ白な髭。どこから見てもハインズ導師です。
そのお顔に表情は伺えませんでした。まるっきりの能面です。こちらから手出しをするのは憚られましたが、ハインズ導師との言葉が頭を過ぎりました。長時間に渡る滞在は出来ないということです。そして、目の前のそれはハインズ導師の形をした別のものであるということを。
意を決して、マジッククローで仕掛けてみます。するとそれはようやく私という侵入者の存在に気付いたかのようにゆるゆると呪文の詠唱を始めました。厭な予感がした私は、後ろに飛び退きます。寸前、私の立っていた場所には巨大な火の玉が...これが上級呪文なのですね。
距離をとっての魔法合戦となりました。相手の呪文の詠唱が終わるまでに小さな呪文を唱えて範囲から逃れる作業を繰り返します。時折飛んでくる封呪の呪文には文字通り閉口させられました。
瞬間、相手の動きが止まりました。終わったかと気を抜こうとした途端、2体のタウロマシスが...よもや召還呪文まで使ってくるとは。
私の甘さからくる隙をつくような出来事にショックを覚えながら目の前のそれがハインズ導師ではないことを再確認し、牛には目もくれず本体にのみ集中しました。
本体が動かなくなったのを確認してから牛を片づけ、全てが終わったときにはそれの姿はなくなっていました。それの最期の場所には黒い符が落ちていました。 |
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